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2025.2.20[チーム]
[ WE ARE GAMBA OSAKA 2025 ]DF67 佐々木翔悟
昨年の戦いを通してチームのキーワードになった『熱量』。
それは、勝ちへの執着として表現され、スタジアムの熱狂を生んだ。
今シーズンのWE ARE GAMBA OSAKAは、その熱量の裏に選手それぞれが宿す『スピリット』にスポットをあてる。彼らの魂や熱意、決意は、今シーズンのガンバにどんな力を与えてくれるのだろうか。
自身にとっては2020年以来となるJ1クラブ、ガンバ大阪に身を置いて佐々木翔吾は今、新たな『楽しさ』を見出しながらサッカーに向き合っている。
「鹿島アントラーズに所属していた当時は、高卒でプロになったばかりで自信なくサッカーをしていたというか。実際、周りに言われるがまま、先輩にも怒られてばかりで『俺はなんでプロになれたんだ?』と思っていました。ただ20年8月に(当時)J3リーグのいわてグルージャ盛岡に期限付き移籍を、22年にJ2リーグのジェフユナイテッド千葉に完全移籍をした中で、僕なりにいろんな経験を積み上げてきたので。今年から久しぶりにJ1リーグのガンバに身を置いていますけど、鹿島時代とは全然違う気持ちでプレーできています。もちろん、競争も激しいし、足りないなと思うことばかりだし、守備の強度やゲームを読む力はまだまだ磨かなきゃいけないとは思います。でも、それを『楽しい』と思えていることを僕自身はすごくポジティブに受け止めています」
鹿島のアカデミーで育った佐々木だが、意外にも『プロ』を明確に意識したのは高校生の時だったという。
「中学生の時も、なんとなくサッカーをやっていたという感じで、プロから逆算して何かに取り組んでいたわけではなかった気がする」
ただ、鹿島ユースの監督だった熊谷浩二氏に言われた「ここでプレーをするのなら、本気でプロを目指せ」という言葉に刺激を受け、目標が定まったという。当時はサイドバック。FWをしていた小学生の頃から自信を持っていた『キック』で勝負することを意識するようになったら、あっという間に頭角を表した。
「小学生の時はFWでめちゃめちゃ点を取っていたし、そこに面白さを感じていたので、中学1年の終わりにサイドバックをしろと言われた時は抵抗があったんです。でもプレーしているうちに面白さを感じるようになると、自分の持ち味を表現できることも増えていきました。高校時代も、練習試合などでFWやボランチをすることはあったけど、試合では基本、ずっとサイドバックでした。足はそんなに速くなかったけどクロスボールやキックの精度で勝負するみたいな感じでした」
プロになってからは20年8月に岩手に期限付き移籍したのを機に3バックの左でプレーするようになり、千葉では主に4バックの左でプレーするなどより守備的なポジションを預かることが増えていったという。
「3バックの左ならまだしも、4バックの左となると明らかに『守備』が役割なので。サイドバックをやり始めた時と同じように、最初は抵抗があったんです。でもやっているうちに、1対1の局面での勝負とか、全体を見渡してチームを動かすことに面白さを感じるようになったというか。特に近年はセンターバックが試合を作るというか、攻撃を組み立てていく役割をすることが多いのも、面白さを感じている理由かもしれない。その分、足元の技術を含め、求められることは多いですけど僕の場合、『やらなくちゃいけない』と思うことが多いほど、それは楽しさに変わるので。今年はカテゴリーが1つ、上がって対峙するFWのレベル、スピード、精度も全然違う中で、現時点ではフィジカル面を含めてより自分への物足りなさを感じていますけど、だからもっと巧くなりたい、と思えていますしね。そもそも、この世界には『完璧』がなく、1つ何かを乗り越えても、またすぐに次の壁が目の前に表れるのが面白さでもあるので。いつまでたっても『完璧』な自分になれないから頑張れるんだと思っています」
足りていないから、努力をする。成長したいから、自分を見つめ直す。「どこまでも上にいきたい」から現状に満足することなく、いろんな欲を持って自分にハッパをかける。その繰り返しの中で今の自分があると思えばこそ、佐々木はもっともっとと求めてサッカーと向き合っている。
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高村美砂●文 text by Takamura Misa
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