若きガンバの課題は明確だ。「試合の立ち上がりに失点してしまったことによって、引いてカウンターという相手のやりやすい形に持って行かれた」と振り返るのはエースの髙木だ。
相模原戦では開始早々の5分に失点。逆転勝ちした藤枝戦もドローに持ち込んだ讃岐戦も、前半に先制点を献上する流れが続く。「1点を取られると難しくなることは分かっていた」と森下監督も認めた通り、攻めきれないままタイムアップの笛を聞いた。
ただ、失敗や悔しさを糧にしながら成長しているのが森下ガンバである。
ユース組がズラリと並ぶ若い最終ラインを統率する松田も「ユースの選手とは練習から一緒にやれている。試合の入りでしっかりとやれれば、前節もそれほど危ない場面は作られていない」と手応えを口にする。
総得点ではJ3トップタイの得点力を誇るガンバ大阪U-23だが、現在12位の鳥取はやはり侮れない相手である。失点がリーグで2番目に多いものの、得点数はリーグ2位タイ。その攻撃の中心にいるのがガンバでも一時代を築いたフェルナンジーニョだ。
可児やヴィートル ガブリエルら警戒すべきFWもいるがやはりもっとも封じなければいけないのがフェルナンジーニョであることを選手たちも自覚する。
松田は言う。「フェルナンジーニョは怖いが、そこを抑えればいける。後半は結構、僕らのペースなので、そこまで失点しなかったら絶対に勝てる」。
ガンバへのリスペクトを持ちながら、パナソニックスタジアム吹田に乗り込んでくる鳥取の10番は前節、C大阪U-23から2得点。相模原戦では、ガンバOBの稲本に苦杯をなめた若きガンバの修正力が問われることになりそうだ。
フェルナンジーニョ封じはマストのミッションだが、同時に森下監督は自分たちが積み上げて来たスタイルへのこだわりも口にする。「どのチームと対戦しても、うちよりキャリアのある選手ばかりが揃っている。相手を過度に意識するのではなく、緊張せずに試合に入れるかどうか」(森下監督)。
前節は髙木の連続ゴールが途切れたが、やはり鳥取相手に勝ち切る上で不可欠なのは攻撃陣の躍動だ。
「ホームなので、見てくださるサポーターの方を楽しませられるような試合をしつつ、チームとしては勝ちたい」(髙木)。
攻守両面で問われる若きガンバの個の強さ。難敵鳥取に勝ち切る準備はできている。