- 17年にガンバに加入した三浦は1年目からレギュラーに定着
- 翌年にはガンバのゲームキャプテンを任された
- キャプテンという責任を与えられたことが成長に繋がる
- 今年こそ『タイトル』を獲りたい。その想いはより強くなっている。
三浦弦太にとってガンバ大阪への移籍という決断は、センターバックとして生きていくことへの強い決意の表れだった。16年の終わりにガンバ大阪からのオファーを受けた際の心情がそれを物語る。
「清水エスパルスでの4年目、16年はJ2リーグながら初めてコンスタントに試合に使ってもらえたのですが、サイドバックでの起用が多かったんです。もちろん、自分としては求められた仕事を最大限で発揮することを第一に考えていましたが、一方でセンターバックとして勝負したいという思いも大きくなっていて…。だからこそ、J1リーグでタイトルを争うガンバから、センターバックとしての自分を評価してもらえたのはすごく嬉しかった」
センターバックへの思いを募らせるきっかけになったのはプロになって、高校時代には縁のなかったアンダー世代の日本代表に選出されたことだ。チームではなかなか出場機会に恵まれなかった時期にそこで積み上げた経験は自信になっていた。
「U-18日本代表やU-19日本代表としてアジアを舞台に戦ったり、16年もU-23日本代表としてトゥーロン国際大会などを経験したことで、よりセンターバックとしてプレーする面白さに開眼したし、やれるという手応えも得られていた。だからこそ、センターバックで勝負していきたいという気持ちがより強くなった」
そうして17年にガンバに加入した三浦は1年目からレギュラーに定着。それどころか、同年のJ1リーグではチーム唯一のフルタイム出場を実現する。そのパフォーマンスが評価され、同年5月には日本代表にも初選出。翌年にはガンバのゲームキャプテンを任された。加入2年目、23歳という若さでの大役や目まぐるしく変わっていく自分の立ち位置の変化に戸惑いはなかったのだろうか。
「環境が変わるとか新しいことにチャレンジする時は大変さはもちろんあるんですけど、僕自身は新しい風が自分に入ってくる感覚がすごく楽しいというか。その時々の自分を超えて前に進んでいけるという実感が持てる瞬間でもある。そういう意味では、常々自分に起きる様々な変化は成長にもつながる、大事な刺激になっています」
ガンバでのキャリアも今年で5年目。清水でのそれを上回る在籍年数を数える。常に『新しい風』を刺激にしてきた三浦にとって、今の自分を突き動かすモチベーションは何なのか。はっきりと『タイトル』という言葉が続く。
「ガンバに来て、いい選手が沢山いる中でJ1での試合経験を積み上げさせてもらい、2年目からはそこにゲームキャプテンという責任を与えてもらったことで、より自分の中に新しい風が吹き、それが自分の成長に繋がったという実感はありました。そういう意味では僕自身が『キャプテン』に育ててもらってきたなと感じる部分はすごくあります。だからこそ、そのことへの恩返しとして結果で応えるためにも、今年こそ『タイトル』を獲りたい。昨年、あと一歩の悔しさを味わったことで、よりその思いは強くなっています」
元日の天皇杯決勝。優勝チームが喜びを露わにする姿を間近に見ながら胸に焼き付けた悔しさを原動力に、三浦は今の自分を超えていく。
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Interview and text by Misa Takamura